Clos de la Bonnette クロ・ド・ラ・ボネット

フランス France / Cotes du Rhone

コンドリュウ唯一の完全有機栽培

コート・ボネットの耕作放棄された葡萄畑を手作業で復活させた
伝統的石垣、伝統的仕立でコンドリュウならではの妖艶な香を醸す

❖手作業で作った石垣❖

『信じられない位、高品質な葡萄を見て、マルセル・ギガルが欲しくて、たまらない!と言ったのがクロ・ド・ラ・ボネットのヴィオニエ。この畑は特別なのです』
コンドリュウとコート・ロティに合わせて5haの畑を所有するクロ・ド・ラ・ボネットはイザベルとその夫、アンリ・グイエ・モンタボネによって運営される小さな造り手。
『急斜面で葡萄を栽培するだけで大変。畑作業は平地の5倍の労力が必要なので自然栽培で葡萄を育てている造り手は、他に存在しない』
1970年から有機野菜の栽培を仕事としてきたアンリですが、病気で一時期は農業を諦めます。その後、イザベルと出会い、2人でコンドリュウの畑を購入し、ワイン造りを夢見ます。
『1992年、耕作放棄されて段々畑の石垣も崩れ、森に戻ろうとしていた区画を購入。石工でもあったアンリが石を切り出し、手作りで家を建て始める』
その後、崩れていた石垣を全て手作業で修復。セメント等は一切使わず、昔の手法で石を積み上げ、石の階段を設置して昔あった通りに復元していきました。
『急斜面にセメントで固めた完璧な石垣は良くない。隙間が沢山ある、手作りの石垣であれば、隙間から雨水が流れ、石垣内に貯まり、一気に石垣が崩れる事はない』
かなりの急斜面なので段々畑は非常に小さく、横幅は1~2m程度と狭く、葡萄樹は1列か2列しか植えられません。効率は非常に悪いが、独特のテロワールがあるのです。
『コンドリュウの中でも急斜面過ぎて、作業が大変だし、危険なので第1次世界大戦後の農業革命による効率化の中で捨てられていたのがコート・ボネット地区』
コート・ボネット地区でも南西を向いた畑で、急斜面の下にはアルビュエル川が流れ、川の対岸は同じく急斜面で葡萄畑はなく、全て森になっています。
『畑は3方向が全て森に囲まれているので葡萄樹はその他の植物や昆虫、動物と共存していかないと生き残れない環境。生物多様性が1960年代から、ずっと確保されてきた』
第1次世界大戦後から耕作放棄されてきた地域なので、勿論一切の農薬は使用されていません。しかも、土壌は50年以上森の一部となり、休まされていたのです。
『葡萄樹だけが植わっていた畑は土壌がアンバランスになり、色々な問題が発生するが、森だったので自然とバランスを得てきた。微生物や有機物の量が他の畑より多い』
こうして手作業で家を建て、天然の石だけで石垣を修復し、色々なクローンを植樹し、10年以上かけて2009年、ようやくワイン造りを開始しました。
『2016年からジャン・ミッシェル・ステファンに貸していた畑を戻し、息子、アントワンヌがワイン造りを開始。コート・デュ・テュパンに残るシラーの原種スリーヌが主体のコート・ロティ』

 

❖ヴィオニエの理想郷❖

細い谷の斜面にある畑で、その下部にはローヌ川の支流、アルビュエル川が流れているので上流から冷たい風が常に流れ込み、夏でも葡萄樹を冷やし、乾かしてくれます。
『上流からの冷たい風を受け、暑いローヌでもヴィオニエの生育は遅く、糖度が上がっても高い酸度を確保できる。また、より複雑な要素を蓄える』
ヴィオニエは十分な日照が必須でありながら、生育スピードが速すぎると糖度が早く上がり、香味成分が十分でなく、酸度が落ちてフラットな味わいになってしまう。とても難しい品種。
『日照と冷たい風で冷やされる事でヴィオニエは色々な要素を成熟させながら、ゆっくりと糖度を上げる。香味成分も酸度も得る事ができるのはコート・ボネットの特徴』
また、ウドンコ病に感染しやすいヴィオニエにとって風は非常に重要で、風によって湿気が飛ばされ、カビが無くなるので農薬なしでも栽培が可能になっているのです。
『土壌は典型的な花崗岩にアルゼーユ(雲母)が混じるヴィオニエにとっての理想的土壌。また、アルビュエル川に流れ込む地下水脈があり、乾燥から守られている』
気難しく、気候や土壌の影響を受けやすいヴィオニエにとって理想的環境が揃っているコート・ボネット。樹齢が上がるにつれ、より優雅で妖艶になっていくはず。
『3本の支柱を円錐状に立て、葡萄樹は株仕立で新梢を伸ばし、3本の支柱に絡ませる事で光合成効率を高め、風が通りやすくする事で病気を防ぐ』
栽培は友人、ジャン・ミッシェル・ステファンに習い、コンドリュウの伝統的手法を継承。葉を多く残し、果実が常に葉の陰にある事で、ゆっくりと生育させる先人の知恵。
『夏場の乾燥は非常に厳しく、雑草も生き抜けないが、この仕立と石垣、そして地下水脈のお陰で葡萄樹は焼けることなく、厳しい環境を生き抜いている』
 

❖収穫が全て❖

収穫のタイミングが最も重要。斜面の微妙な向きや、斜面の上部、下部、どこにあるかで熟度が異なるので、1つの畑でも3~4回に分けて収穫する。
『複雑性を持つか、単純でつまらないワインになるかは収穫のタイミングによる。最適なタイミングは1週間続かない。常に全てのプロットの生育を確認する必要がある』
白桃やアプリコットなどの果実感だけでなく、ジャスミンや金木犀、胡椒やスパイスのニュアンスを得たヴィオニエはコンドリュウでしかあり得ない特別な個性なのです。
『収穫後、すぐにドライアイスで冷やしながら、自然発生する二酸化炭素で酸から守る事で、ヴィオニエ特有の香味成分をモストに移行させていく』
コンドリュウでは珍しい有機栽培で最良の葡萄を育て、その個性を手作業で守り、正確な仕事で欠陥のない素直なワインに仕上げています。

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商品記号 ワイン VIN サイズ 参考上代 葡萄品種 メモ
A5609 Collines Rhodaniennes Viognier “l’Archette” / Clos de la Bonnette コリンヌ・ローダニエンヌ・ヴィオニエ・アチェット / クロ・ド・ラ・ボネット 2020 750㎖ 5,600円 Viognier 若樹のみ
樹齢5年程度の若い樹のみを使ったフレッシュ&フルーティーワイン。手作業で収穫後、ドライアイスで冷やしながら酸化から守り、色々な大きさの古樽に入れて野生酵母のみで発酵。醗酵終了後、50%古バリック、50%ステンレスタンクに入れて6ヶ月以上熟成。粗いフィルターで不純物だけ取り出しボトリング。

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A7300 Condrieu “Legende Bonnetta” / Clos de la Bonnette コンドリュウ・レジェンド・ボネッタ / クロ・ド・ラ・ボネット 2020 750㎖ 8,900円 Viognier 古樹のみ
コート・ボネットの若い樹が中心。収量は非常に少なく30hl/ha。収穫後、ドライアイスで冷やしながら酸化から守り、色々な大きさの古樽に入れて野生酵母のみで発酵。醗酵は3週間以上で自然とマロラクティックも起こる。12ヶ月以上、質の良い澱だけ残してシュール・リー熟成。必要であれば、時々、バトナージュ。粗いフィルターで不純物だけ取り出しボトリング。年産1,200本前後。

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A7463 Syrah “Cisselande” / Clos de la Bonnette シラー・シスランド / クロ・ド・ラ・ボネット 2021 750㎖ 4,300円 Syrah テュパン
樹齢30年の粘土質とシストに育つシラー100%。テュパン・エ・セモンにある畑のみ。手作業で収穫し、10%は全房、90%除梗して野生酵母のみで発酵。強い重いシラーではなく、抽出の優しいフレッシュなシラーを目指しているのでマセラシオンは短めで、ルモンタージュも必要最低限。果皮を出来るだけ刺激しないようにする。発酵終了後、移し変えをして古樽で6ヶ月熟成。ノン・フィルター。

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A7301 Cote Rotie “Prenelle” / Clos de la Bonnette コート・ロティ・プレネル / クロ・ド・ラ・ボネット 2020 750㎖ 12,000円 Syrah テュパン
シャトー・ダンピュイの南、テュパンの急斜面にある条件の良い古い畑。元々はジャン・ミッシェル・ステファンに貸していたが2016年から自分達で醸造を開始。典型的花崗岩。発酵は野性酵母のみでステンレスタンクで行われる。温度管理は基本的にしないが30度以下で発酵。熟成は古い色々な大きさの樽で2年間。その後、アッサンブラージュしてボトリング。

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