Ronco Severo ロンコ・セヴェロ

イタリア Italia / F.V.G

グラヴネル、ラディコンに学び進化する注目株

長期マセラシオンの白ワインながら平坦でなく、輪郭がはっきりある完成度の高さ。赤ワイン「スキオペッティーノ」も 透明感があり品種個性がはっきりと味わえる。

椅子の背に立つ少年

ちょっと変わったエチケット。フリウリは木製家具が名産品。その名産品、フリウリの特徴的な椅子の背に 立ちバランスをとる少年。 これは「ロンコ・セヴェロ」当主「ステファノ・ノヴェロ」の ワイン造りの思想を表している。

『ワイン造りはバランスが大切。椅子の上でバランスをとるのは難しい。危険を冒してでも難しい事に挑戦すべき。そうすれば高い位置に目線がいき、将 来を見渡す事ができる』

ワイン醸造を学んだが、海外での仕事を選び、ワイン 造りとは無縁だった。一方、両親は 1973 年にワイン 造りを本格化させる。 1990 年代に実家に戻り、ワイン造りを手伝い始め、 徐々に引き継いでいく。

『当時、両親は化学肥料を使い、培養酵母で完璧なワインを造っていたが、造られたワインに興味が 無くなっていった』

徐々に自然な農法に移行。今では除草剤も防虫剤 も一切使用しない完全な自然農法になっている。

『ボルドー液も銅が多過ぎて重い。土壌に蓄積してしまう。今は砂に硫黄と極少量の銅を混ぜてベト病 対策をしている』

3ヶ所に分かれる畑は自然の森を隣接させている。 生物多様性を維持する事が目的。畑の支柱も隣接 する森の栗の樹を使用。

『畑を森に隣接させると30%位の葡萄が猪や野生動物に食べられてしまう。しかし、それ以上に葡萄 の質を向上させてくれる』

1999年から白ワインの長期マセラシオンを開始。ワイン造りの先生は「ヨスコ・グラヴネル」「スタンコ・ラ ディコン」「ダリオ・プリンチッチ」。

『99 年のリボッラは完璧な葡萄だったので 99 日間 のマセラシオンを試した。良いワインだったが昔から の顧客には理解されず 1 本も売れなかった』

まったく売れなかった2000 年代前半を乗り越え、 徐々に新しい顧客ができ、今では「カランドレ」他、星付リストランテにもオンリストされている。

ポンカ土壌を活かす

「ロンコ・セヴェロ」はフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州、 スロヴェニアとの国境の町「プレポット」に位置。

『典型的なポンカ土壌。泥灰岩、砂質が押し固められたスレート状の石で石灰分を含み、水はけに優れ る。保温もできる』

ポンカの層が色々な角度で表土、地中に存在する。その割れ目に沿って葡萄根が伸びていくことで下層 部に伸びていく。

『ポンカは雨や風で風化して砂状になり、熱を蓄えるので葡萄樹を暖めてくれる。スキオペッティーノに 最適な土壌』

「スキオペッティーノ」はこの地の土着品種で重要な品種。病気に弱いが樹勢が強く、多産。薄い平坦な ワインになりがちで栽培が難しいと言われる。

『斜面に植えると樹勢が弱まり葡萄が凝縮する。そしてポンカ土壌で育てるとスパイスのような独特の 香や滑らかさが出てくる』

マセラシオンとシュール・リー

彼等は 8ha の畑で土着品種を中心にシャルドネ、ピ ノ・グリージョ、ピコリットなどを栽培している。

■セヴェロ・ビアンコ 60%フリウラーノ、30%シャルドネ、10%ピコリットを 同時に収穫。一緒に発酵。マセラシオンは葡萄の状 態を見ながら 20~30 日間。 2013 年は 23 ヶ月間のシュール・リー。質の良い澱 だけでシュール・リーをすることでフレッシュさを失わずに旨みを得ている。

『平均樹齢 40 年。一番古い樹で 80 年。セヴェロ・ ビアンコの畑はフリウラーノ、トカイ、ピコリットが混 植されている』

ピコリットは2年に1回しか実を着けない品種で、ポコリット単体では受粉できない珍しい品種。よって他の 品種と必ず混植される。 ピコリットが混植混醸されることが重要。フリウリの他 の造り手のブレンドワインとは全く違った雰囲気にな っている。

『年の個性を感じられるワインでありたい。13 年は 暑く完熟した果実。14 年は冷涼で雨の多い年。そ れぞれの個性を味わえるはず』

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商品記号 ワイン VIN サイズ 参考上代 葡萄品種 メモ
A7604 Friulano / Ronco Severo フリウラーノ / ロンコ・セヴェロ 2019 750㎖ 5,800円 Friulano 60日間マセレーション
完璧に熟すまで収穫を遅らせ9月末から開始。発酵はトロンコニック木樽で、60日間マセラシオン。発酵後、プレスし50%のワインをスラヴォニア大樽に移し、24ヶ月シュール・リー。その内の11ヶ月間は3日に一度櫂入れを行う。長いマセラシオンでもフリウラーノ本来の個性を表現できるよう良質の澱だけを使用する。

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A7605 Pinot Grigio / Ronco Severo ピノ・グリージョ / ロンコ・セヴェロ 2019 750㎖ 5,800円 Pinot Grigio 30日間マセレーション
果皮がピンク色になるまで収穫を遅らせ、トロンコニック木樽で発酵。マセラシオンは30日程度で恐らく、フリウリのピノ・グリージョで最も長い。発酵後、プレスし50%のワインをスラヴォニア大樽に移し24ヶ月シュール・リー。その内の11ヶ月間は3日に一度櫂入れを行う。8月~9月の月がかけていく頃にボトリング。長いマセラシオンでも酸度、ミネラル感、垂直性を失わず、重くない。

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A7606 Ribolla Gialla / Ronco Severo リボッラ・ジャッラ / ロンコ・セヴェロ 2019 750㎖ 5,800円 Ribolla Gialla 60日間マセレーション
0.8haのリボッラの畑。トロンコニック木樽で発酵。マセラシオンは60日程度。発酵後、プレスし50%のワインをスラヴォニア大樽に移し24ヶ月シュール・リー。その内の11ヶ月間は3日に一度櫂入れを行う。8月~9月の月がかけていく頃にボトリング。2004年からリボッラ・ジャッラ100%でワインを造り始めた。

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A6116 Refosco Peduncolo Rosso / Ronco Severo レフォスコ・ペドゥンコロ・ロッソ / ロンコ・セヴェロ 2018 750㎖ 6,000円 Refosco 120日間マセレーション
0.7haの畑で収穫は遅く、10月中旬に収穫開始。発酵はトロンコニック大樽で初期は4時間ごとにルモンタージュをしながら、レフォスコでは考えられない120日間の長期マセラシオン。その後、スラヴォニア大樽に移し変えて24ヶ月熟成。スパイシーなレフォスコらしさと長い樽熟成でコーヒーやチョコレートのような風味を得ている。

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A7625 Schioppettino di Prepotto / Ronco Severo スキオペッティーノ・ディ・プレポット / ロンコ・セヴェロ 2018 750㎖ 6,000円 Schioppettino スキオペッティーノの起源
昔、プレポットはスキオペッティーノの最良の区画として有名だったが今では造り手が少なく、サブゾーンになってしまった。発酵はトロンコニック大樽で初期は4時間ごとにルモンタージュをしながら、レフォスコでは考えられない20日間のマセラシオン。その後、スラヴォニア大樽に移し変えて31ヶ月熟成。明るい果実に少しのスパイス、ヴェジタルなフレッシュさが個性。

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