Jean-Luc Thunevin ジャン・リュック・テュヌヴァン

フランス France / Bordeaux

ボルドー右岸の改革者『テュヌヴァン』

0.5haの小さな畑から始めた「シャトー・ヴァランドロー」は、2012年にはサンテミリオン最高格付に昇格。品質向 上の為、常に新しい醸造に挑戦する造り手。AOCボルドー「バッド・ボーイ」も高い人気。

VdTからグラン・クリュ格付へ

2012 年からサンテミリオンの格付け最上級「プルミ エ・グラン・クリュ・クラッセ」に認定された「シャトー・ヴ ァランドロー」。 1992 年のファースト・リリースから 20 年かかった。一 般人が始めたシャトーが保守的なボルドーで格付け されるのは異例中の異例。 ミッシェル・ベタンヌは「フランスワインの歴史に残る 快挙だ」と賞賛した。

『2000 年に雨避けのビニールシートを畑に設置し、I NAOからAOC認定を剥奪された。仕方なくヴァン・ ド・ターブルでリリースした。10 年後にそのワインが 格付けに認定された』

当主「ジャン・リュック・テュヌヴァン」が妻「ミュリエル」 と 1989 年に手に入れたのは僅か 0.5ha 畑。 ワイン造りに関して全くの素人だった2人。畑を買った が醸造設備を買う資金までは無く、初めて収穫した 葡萄は共同組合へ販売した。 2人に力を貸したのが、当時の「シャトー・オーゾンヌ」 の当主「アラン・ヴォーティエ」だった。 出会いは「ジャン・リュック」がDJ をしていたディスコで 「アラン・ヴォーティエ」と意気投合。彼からワイン造り を学び、彼が所有する「ムーラン・サン・ジョルジュ」の 醸造設備も借りることができた。

『アラン・ヴォーティエは“手造り”のワインを造れと言 った。1992 ヴィンテージの販売価格は 20 ユーロ。 シュヴァル・ブランと同価格。ネゴシアンは無名のワ インに見向きもしてくれなかった』

その後、ロバーロ・パーカーや RVF 誌、ギッド・アシェ ット誌が揃って高い評価をつけたことで一気に注目が 集まった。 1995 年の販売価格は 73 ユーロ。1999 年は 100 ユ ーロ。「シャトー・ヴァランドロー」はサンテミリオンで最 も人気のワインとなった。

180cmのダブル・グイヨー仕立

『畑は状態に合わせて毎年改良。最近は特に台木 とクローンの見直しを進めている。効率的な光合成 の為に葡萄樹の仕立も変更』

土壌に合わない台木(特に SO4)やクローンは若樹 でも惜しみなく改植を進めている。 葡萄樹を引き抜いた後は最低 3 年間は穀物を植え て土地を休ませている。密植率は8,400本/ha(通常 は 6,000 本/ha)。 葡萄樹の仕立は 1m80cm に変更。ボルドーでは珍し い高い仕立。葡萄の葉は上下に広がり、より効率良く 光合成が出来るようになった。 時間も資金もかかるが、改植の結果、メルローとカベ ルネ・フランの品質が大きく向上している。

『醸造では熟度の低い年に行っていたミクロ・オキシ ジェナシオンを止めた。代わりに新しい選果機を導 入、熟度の高い粒だけを選んでいる』

比重により糖度に応じて選果をする Tribaie の他、最 近では、凝縮度が低い大きめの葡萄果をより分ける Qualibaie といいう選果機も導入。 熟度の高い粒だけを使う事で、セニエによって果汁 を濃縮する必要がなくなった。 また熟成に使う樽はフランス産ではなく、100%オー ストリアのストッキンガー社に変更された。

『オーストリア産は 30 ヶ月以上の長い樽熟成をして も、不自然なバニラ香がつかず、代わりに適度なブ リオッシュ香を与えてくれる』

葡萄の品質>AOC

現在は「シャトー・ヴァランドロー」以外にも「ヴィルジニ ー・ド・テュヌヴァン」など右岸で複数のシャトーを手 掛けている。 最も「ジャン・リュック」らしいワインが「バッド・ボーイ」。 ラベルに書かれているのは友人「エリック・ソラ」が手 掛けた黒い羊。 リリース時はボルドーワインらしくないラベルが話題に なった。突然変異で生まれる「黒い羊」は羊毛を染め て使う事が出来ないので厄介者の象徴。 「ロバート・パーカー」が「ジャン・リュック」を「黒い羊= 厄介者」と呼んだ事に由来している。

『使用する葡萄はフロンサックのシャトー・オーマゼリ とジェニサックのシャトー・コンパッサンの葡萄。樹齢 50 年以上のメルロー古樹のみ』

このキュヴェをリリースした 2005 年当時は、AOC ボ ルドーの制約が今以上に厳しかった。 AOC に拘るボルドーの造り手や飲み手対して「ジャ ン・リュック」はボルドーのマイナー地域でも質の高い ワインが造れる事を証明した。 高いポテンシャルを証明する為、一部のワインは樽 熟後にステンレスタンクに移して更に熟成。 10 年近い熟成の後、飲み頃を迎えたと「ジャン・リュ ック」が判断したタイミングで再度瓶詰めし、リリース ている。 AOC ボルドーとは思えない、十分な熟成感を楽しめ る。※AOC の改定がありバッド・ボーイの現行ヴィン テージはAOC ボルドー。

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