タイガはデンマーク生まれ。コペンハーゲンで天然ガスの会社で働いていました。もとよりワインに強い関心がありヨーロッパ各地の生産地を訪れ多くのワインを試飲していました。そしてついに仕事を辞め、スペインの地でワイン作りをスタートすることを決心します。グレドスを始め多くの産地を周り行き着いたのはポルトガルとの国境、ドウロ川になる直前のスペインのデュエロ川近くの土地でした。アリベスはとても美しくそして未開の土地でした。

同時にチャレンジな土地でもありましたが。D.Oとしては総面積が750ヘクタールしかなく有名な生産者などもいませんでした。土壌は花崗岩にクオーツの混ざる土壌、ラッキーなことに大手の技術や化学肥料などで汚染や傷ついた土地ではなかったため、タイガにとってはこの土地はバイオダイバーシティの促進も困難ではありませんでした。

彼のビジョンである地球環境を守ることは明確に行われています。（ちなみにワイン6本あたりのオーダーで植樹1本を常に行っています）彼はまたこの土地の地品種を復活させました。ホアンガシアという品種はとても穏やかでアルコール分も低く、スペインワインのイメージでもある甘い樽香などを必要としません。

他の地域の地品種と同様ですがこのような品種はその分非常にデリケートで適切な畑での手入れが必須です。畑でのブドウへの愛情やケアがデリケートながらも複雑でストラクチャーのあるワインを作り出します。

ホアンガシアはこの土地の地品種ですがこれまで彼ほどのモチベーションを持って畑へのケアをし品種に合った醸造で素晴らしいワインを作り出す生産者はほとんどいませんでした。タイガのポジティブさと情熱、そしてワイン作りの喜びが彼の人生を変え、家族と共にこの土地へ移り住み素晴らしいワインを作り出しました。

2018年のロンドンのRAWで出会い、セカンドヴィンテージでもある2017年から我々は彼の成長と成功を見てきました。年々、確実にそれぞれのキュベのクオリティーの個性、何よりホワンガシアの個性を垣間見ることができ、ワイン作りの安定感とそして何より彼らしい優しさと実直さと喜びがワインに表れています。