Jean Paul & Charly Thevenet ジャン・ポール & チャーリー・テヴネ
フランス France / Bourgogne
ジャン・ポール・テヴネの息子が醸す『レニエ』
ジャン・ポール・テヴネの息子、チャーリーが2007年から造り始めた「レニエ」。畑の樹齢は平均80年越え。レニエ らしい繊細でフレッシュな味わいはフランス国内で一気に人気に!
ジャン・ポール・テヴネの息子
ワインアドヴォケイト誌はマルセル・ラピエール、ギィ・ ブルトン、ジャン・フォアイヤール。そして、ジャン・ポ ール・テヴネを「ボジョレーのギャング・オブ・フォー (4 人組)と呼んだ。
『故マルセル・ラピエールを中心に自然なワイン造り をモルゴンから発信し、フランス、そして世界中へ 広めたのが、この 4 人だった』
そのジャン・ポールの息子「チャーリー・テヴネ」は父 親と共に働きながらワイン造りを学んだ。
『学校に通うつもりはなかった。葡萄と畑、そしてワ イン醸造を学び、経験することしか考えていなかっ たから』
父親以外のワイン造りも学ぶ為に、ブルゴーニュ、ロ ワール、イタリア、そしてマルセル・ラピエールで働き、 2007 年遂に自分のワイナリーを立ち上げる。
『モルゴンの力強さはジャン・ポール・テヴネで追求 できるし、土地が高すぎる。モルゴンとは違う個性 のレニエで繊細さを追求したい』
現在ではジャン・ポール・テヴネの醸造も「チャーリ ー」が担当しており、畑の管理、醸造もほぼ同じ条件 で行われている。
『畑では防虫剤、防カビ剤、除草剤は一切使わない。 基本的にビオディナミに順じているが、特に認証を 取るつもりはない』
醸造に関してはモルゴンの個性とレニエの個性を際 立たせる為にマセラシオンや発酵温度を若干変え ているが、基本は同じ。
レニエの個性
彼が取得したのは「レニエ」。ボジョレーの基盤土壌 は花崗岩だが、ジャン・ポールの「モルゴン」は花崗 岩の上に粘板岩があるのが特徴。
『モルゴンは粘板岩の岩石層が崩れた土壌。葡萄 樹にとっても過酷な環境なので力強く、硬い』
それに対して、彼のレニエは花崗岩の上を砂質が覆 っていて、標高は 250m ながら南東を向いていてモ ルゴンより冷涼な区画。
『レニエは砂質なのでフレッシュで軽やか、そして芳 香に優れ、モルゴンにはない上品さを得る。でもサ ン・ジョセフのようなタンニンもある』
1988 年にクリュ・ボジョレーに昇格したばかりのレニ エはモルゴンの西に位置し、砂質が強く、水捌けが 良過ぎるので軽視されてきた。
『しかし、花崗岩層まで根を伸ばせばミネラルをしっ かり吸収し、モルゴンとは違う繊細で伸びのあるワ インに仕上がる』
彼の 2 つの畑は 1932 年と 1946 年に植えられた平 均樹齢 80 年の区画で合わせて 3ha。砂質と酸化し た鉄を含むピンクの花崗岩が多く含まれている。
セミ・マセラシオン・カルボニック
ビオディナミで健全化された畑は雑草で覆われ、樹 齢 80 年を超えるゴブレ仕立のガメイの収量は非常 に少ない。 手作業で収穫し、野生酵母のみで発酵。色々な野 生酵母を活動させる為に低めの温度から発酵を開 始する。
『レニエの繊細さを活かす為にモルゴンより約10日 早く収穫。例年 9 月末に収穫。フレッシュな酸と香 味成分を重視している』
収穫後は葡萄を 10 度まで冷やして 3 日間置くこと で発酵温度を低くする。これによって複雑味も出て、 フィネスのあるワインになる。
『モルゴンは力強さが個性なのでマセラシオンする が、レニエは繊細さ、フレッシュさを大切にしたいの でマセラシオンは最低限』
発酵は全房で伝統的セミ・マセラシオン・カルボニッ ク。大型の開放桶で発酵後、古いバリックに入れて 1年熟成。 バトナージュは最小限に抑え、澱の過度な影響を与 えない。ボトリング前に極少量の酸化防止剤を使用 する。ノン・フィルター。
『2つの区画の葡萄を別々に発酵させて、古バリッ クで発酵させることでえ色々な個性のワインができ あがる。それをアッサンブラージュする』
生産量は 14,000 本。ジャン・ポールの古典的なワ インとは異なり、レニエらしい躍動感に溢れるミネラ ルを味わえる貴重なワイン。