Chateau le Puy シャトー・ル・ピュイ

フランス France / Bordeaux

ボルドーで唯一400年無農薬の畑

現代ボルドーワインの在り方に憤慨するアモロー家は昔ながらのテロワール・ボルドーを目指す
生物多様性を維持した畑から温度管理なしの野生酵母での自然発酵

❖400年以上続く老舗❖

『シャトー・ル・ピュイ当主アモロー家がこの地に移り住んだのは1610年。400年以上、この地で葡萄栽培と小麦栽培を主に自給自足生活をしてきた一族です』
当時から牛での耕作、自分達で栽培した野菜や天然の草木、牛糞のみで畑の健康状態を維持してきました。彼等の畑では400年以上、一切化学薬品が使われていないのです。
『1830年には現在の醸造所が建てられ、人為的介入のない素朴で理にかなった、今で言うヴァン・ナチュール的なワイン造りを開始。当時は普通の事でした』
この時代のボルドーはラトゥールもラフィットもル・ピュイと同じように今で言うヴァン・ナチュール的な造りであり、今とは違いボルドーという素晴らしいテロワールを表現していたのです。
『1800年代の技術のない時代にボルドーは他の地域より葡萄栽培に最適だったから葡萄栽培が盛んだった。素晴らしいテロワールが存在していたのです』
1868年には現当主、ジャン・ピエールのお爺さんであるバルテルミが亜硫酸の添加に疑問を持ち始め、亜硫酸無添加のワイン造りに取り組み始めます。
『第1次世界大戦後、農業革命で農薬が推進されましたが、アモロー家では一切の農薬の使用を拒否。周囲から孤立しても、それは変えられる事はありませんでした』
1964年にはフランス初のオーガニック栽培推進団体にル・ピュイはボルドーで唯一のオーガニックワインの造り手として認定されています。まさにパイオニアなのです。
『1970年台には単一植物に特化した農業による生態系に与える悪影響を感じ、生物多様性の実現に尽力。葡萄畑の周囲に森を残し、自然なエコシステムを確立します』
400年以上、無農薬が貫かれ、生物多用性が維持された自然環境の中から生まれるワインは今の工業的ボルドーワインとは全く違う、本来のボルドーが味わえるはずです。
『1950年代のラトゥールやラフィットはテロワールを感じさせました。今のボルドーワインはカリフォルニアと競って、本来のテロワールの概念を忘れてしまいました』/アモロー氏
1994年には遂に100%有機栽培、銅、硫黄さえ使われていない畑の葡萄から、酸化防止剤も含めて一切の添加物を排除したバルテルミがリリースされました。
『バルテルミはアモロー家、15世代が守り続けてきた、この土地のテロワールの現在出来うる究極の表現です。この土地で、私達の伝統でしか完成しないのですから』

 

❖昔のボルドーはミネラリーだった❖

ボルドー右岸、ドルドーニュの丘の最上部、標高107mの最も高い位置にシャトー・ル・ピュイは位置します。ル・ピュイは頂上を意味するフランス語です。
『所有する土地は60ha。その内、葡萄畑は36haで、残りは放牧地と森であり、森が葡萄畑を囲んでいます。葡萄は自然の中で他の動植物と共にいるのです』
畑のエコシステムは人間が介入してはいけません。蜘蛛は葡萄に少し危害を加えますが、これを薬で排除すると、蜘蛛の餌であるアブラムシが増えて葡萄樹は大きな被害を受けます。
『人間が介入すれば、別の場所でバランスが崩れ、それは、やがて葡萄樹に影響するのです。200種類以上の植物、100種類以上の昆虫、動物が自然を形成するのです』
土壌は活性化した石灰を含む粘土質で、化学薬品の影響をうけていないので、古代からの有機物が豊富で複雑。ミネラル分も非常に多い事が成分分析で証明されています。
『畑には 1 立方メートル当たり 2億5,000万匹の微生物が住んでいる。目には見えないが、まとめると約 150 グラムにもなります。これが本当に自然な状態』
微生物は葡萄樹の根に張り付き、糖を得る代わりに唾液を出し、その唾液が土壌中のミネラル分を分解し、水と一緒に葡萄樹が吸い上げる事が可能になると言われます。
『ミネラルを感じるボルドーワインがあるでしょうか?5大シャトーもミネラルを感じさせてくれません。科学的に凝縮させたワインは土地の味がしない。悲しい事です』
世界的味覚や評点の為に計算され、整形されたボルドーワインは世界の嗜好に合い評価も高い。一方で、ボルドーというテロワールは壊滅してしまったのです。

 

❖酸化防止剤無添加❖

『葡萄畑を最適な状態に保つ事に集中すれば、葡萄を搾ったモストはオリゴ糖を多く含み、それは発酵を経ても失われず、ワインにミネラル、そして土地の個性を与えます』
30種類以上の野生酵母が付着した葡萄は収穫後、除梗し、木桶の中で優しく破砕されます。ここからは人の仕事は、ほぼありません。野生酵母が自由に活動するのです。
『区画毎に野生酵母の種類比率は異なり、温度帯で活発になる酵母も異なります。これがヴィンテージ個性なのだから、温度管理も含めてコントロールしてはいけないのです』
木桶での発酵は自然な温度変化を可能にします。ステンレスタンクは葡萄にとって異次元の素材ですから、人間にとって都合が良くても葡萄にとって良い事はないのです。
『発酵中、果皮はネットでモスト中に沈められ、ピシャージュやポンピングオーバーで動かされる事はありません。果皮を刺激せず、過度な抽出をしない事で本質が見えてきます』
バルテルミは完全酸化防止剤無添加ですが、エミリアンは瓶詰前に気化させた僅かな量の亜硫酸を熟成中のワインに触れさせます。残留量は20mg/L以下と非常に少ないのです。
『酸化防止剤は新樽と同じく、葡萄本来の個性を少し覆い隠してしまいます。ですから亜硫酸は最小限。新樽は一切使用しません』

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