Pietracupa ピエトラクーパ

イタリア Italia / Campania

『フィアーノ』『グレコ』の最高峰

古いフィアーノのクローンをマッサルセレクションで残している。収量は少ないが圧倒的な骨格を得る。収穫は酸度を 意識して完熟の 1 歩手前。塩味が強く感じられる個性的なワイン。

ピュアでまっすぐなワイン

1993 年、「ピエトラクーパ」はアヴェリーノに近い無名 の地「モンテフレッダネ」に設立された。 落ち着きがなく、動き回る「サビーノ・ロッフレード」が 当主。スポーツインストラクターを辞め、愛するワイン で地元の復興を目指すことを決めた。

『目的はモンテフレッダネの復興だった。火山岩が風 化した土壌はミネラルの表現に最適。標高の高さが ワインに厳しさを与えてくれると思った』

父「ペッピーノ」が 1970 年に購入した家の一部を改 装してワイン造りが始まった。1 年目から彼等のワイン は各誌で最高評価を獲得する。 当時では珍しい、質を追求する小規模カンティーナ の成功例として注目を集め、彼等の成功でイルピニ ア自体も人気が高まっていった。

『当時のイルピニアは南イタリアの重厚なワインとい うイメージだった。だが本当の個性は過度な抽出で はなく、ピュアな果汁の中にあった』

当時の常識だった過熟気味の葡萄ではなく、酸を残 したフレッシュな葡萄を使って今までのイルピニアの イメージを一新していく。 火山岩の硬さ、昼夜の温度差による引き締まった味 わいを前面に出す為にステンレスタンクのみで低温 で仕上げる醸造も珍しかった。

『自分の好きなワインを造る。だらしない味は嫌い。 造り込んだ味は嫌い。素直でまっすぐ伸びる味わい がこの土地の個性』

古代クローンのフィアーノ

「ピエトラクーパ」を有名にしたのが「フィアーノ」。彼等 は名前もない古いクローンをマッサルセレクションで 残している。

『普通のフィアーノより樹勢が弱く 1 つの樹に 4 房程 度しか実が着かない。房も小さく結実不良が多い。 更に粒も小さく果皮が厚い』

火山岩土壌に相性が良い。通常の「フィアーノ」の半 分程度しか実を着けないし、結実不良が多いので収 量は非常に少ないが酸の質が高い。

『葡萄は養分を蓄えて成熟する。水分が少なく凝縮 し過ぎるので、熱い 2015 年は雨が降るまで収穫を 待ったほどだった』

果皮の厚いこの古代種は果皮に多くの成分を持って いて非常に熟成力が高い。 若い内は蜂蜜のニュアンスやアロマティックさもある ので親しみやすさがある。よって早目に飲まれてしま うのが残念。10 年以上熟成する。

『モンテフレッダネ産の熟成したフィアーノはシュナ ン・ブランやリースリングのような高貴さを感じさせる。 イタリア最高の地品種の 1 つ』

もう 1 つの重要な品種が「グレコ」。ヴェルディッキオ に近いこの品種は房が大きく、葡萄がコンパクトに集 中してしまう。

『粒と粒が密着するので風が通らないし、果皮が薄 い。よってカビや病気に弱く、雹にも弱い。フィアーノ より手間がかかるが収量は多い』

雹害のリスクが無くなる 7 月初旬まで摘芯を行わず、 上部に葉を残す。 下部は風通しを良くする為に葉も落とし、下草も刈り 込む。仕立はグイヨだが 2m 以上の高さになる独特 の畑になっている。

『グレコは一般的には厳し過ぎる味わいかもしれな い。だが塩味を楽しむには最高の品種。バランスを とる気はない。土地そのままの味』

次の挑戦はアリアニコ

重要なのは酸度。糖度ではない。果皮に緑が残る、 完熟 1 歩手前で収穫しなくては熟成した後の個性を 感じることはできない。

『最近では 2 つ目の房や未熟果も一緒に収穫して 発酵させている。過度に均一であるよりも不揃いで あることが複雑味を作る』

カンティーナはシンプル。収穫した葡萄は自宅 1 階 部分、半地下のステンレスタンクに重力で落とし、18 度程度の低温から発酵。 そのままステンレスタンクで熟成。マロラクティック発 酵は自然に任せている。一部は起こり、一部は起こら ない。

『2008 年、トッレ・レ・ノチェッレ村のアリアニコの畑 を取得。タウラジへの挑戦を始めた。白ワイン同様 に垂直性のある味わいを目指す』

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商品記号 ワイン VIN サイズ 参考上代 葡萄品種 メモ
A8684 Greco / Pietracupa グレーコ / ピエトラクーパ 2020 750㎖ 4,300円 Greco --
グイヨ仕立だが高さは2m以上になるピエトラクーパ独自の仕立。暑い地方なので葉を多く残し、葉の影で、ゆっくり葡萄を生育させることで酸度が高く、複雑味があり、低収量のグレコを目指している。酸度を遺した状態で収穫。18度の定温で発酵開始。少しずつ温度を上げていき香と力強さを両立させる。樽には一切入れない。

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A8685 Fiano / Pietracupa フィアーノ / ピエトラクーパ 2020 750㎖ 4,300円 Fiano --
今ではほとんど残っていない原酒に近い古代種のフィアーノを1/3使用。結実不良が多く、房には葡萄がまばらなので風通しが良く、病気に強いが収量が極端に低い。グレコ以上にミネラルを持ち、長期熟成にも向く。ステンレスタンクで低温で発酵。そのまま18ヶ月以上、澱と共に熟成。

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A8985 Aglianico “Quitrico” / Pietracupa アリアニコ・キリコ / ピエトラクーパ 2019 750㎖ 4,300円 Aglianico --

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