Marsuret マルスレット
イタリア Italia / Veneto
現地で飲むフレッシュな美味しさこそがプロセッコ
発注を受けてからボトリング、2ヶ月半で日本へ運び、直ぐ出荷開始だからフレッシュ!
全収量の50%以上を他の造り手や協同組合に売ってしまい、厳選した葡萄で醸造
❖家族経営カンティーナ❖
全世界で毎年6億本以上飲まれているイタリアを代表するスパークリングワイン、プロセッコ。シャンパーニュを抜き、世界で最も売れているスパークリングワインとなりました。
『13世紀から、この地にはプロセッキという地名があり、既に葡萄栽培が行われていました。今では23,000haの葡萄畑がヴェネトとフリウリにまたがっています』
プロセッコの中心トレヴィゾは東西に5つの丘が入り組んで並んでいます。ミネラルが豊富な礫岩に川に由来する砂質を含む粘土が混じり込んでいます。
『礫岩のミネラルと急斜面の水はけの良さ。乾燥した冷たい北風のボッラのよる昼夜の寒暖差。葡萄にとって理想的な条件が揃っていたので葡萄栽培が盛んでした』
元々、この地域は硬い礫岩と柔らかい泥岩が交錯していましたが、長年の雨風で弱い泥岩は削られ、風化し、硬い礫岩と粘土の丘が出来上がったのです。
『礫岩の丘は入り組み、非常に急な斜面になっている。最大斜度は74度にもなり、標高差は500mを超えます。ヴァルテッリーナよりも複雑に入り組んでいる』
世界遺産にもなっている急斜面のヴァルドッビアーデネを中心にトレヴィゾはプロセッコでも特に急な斜面で入り組んでいる。そして、ミネラルが豊富な礫岩が豊富なのです。
『一方で、価格が安いプロセッコでは農薬の使用が多くなり、土壌が弱り、雨で流出してしまう問題が表面化。マルスレットでは一切の農薬の使用をしていません』
葡萄樹を支える支柱もコンクリートや鉄製ではなく、トレヴィゾの山から伐採した地元の木材を使い、出来る限り自然のものを使っています。
『通常は防腐剤を支柱に塗って、地中に打ち込んで腐らないようにするが、支柱の下部を焼き炭化させる事で木が腐らないようにして防腐剤を排除します』
1936年、アゴスティーノ・マルスーラがトレヴィゾに葡萄畑を購入。マルスレットの歴史が始まります。マルスレットは小さなマルスーラを意味するニックネームです。
『現当主はエルメス・マルスーラ。現在ではヴァルドッビアーデネに45ha、トレヴィゾに25ha、合計70haの畑を所有します。90年間、家族経営を続ける老舗です』
❖50ヶ所に分かれた畑❖
畑はDOCGのカルティッツェ、コル・サン・マルティーノ、グイア、プレマノル、ロッレ、ヅエル、レ・セッレといった重要な村の全て50ヶ所以上に細かく分かれています。
『ヴァルドッビアーデネとトレヴィゾの色々な畑を所有している事が強み。色々な土壌、色々な日照量、色々な標高の葡萄を得る事でワインは最終的なバランスを得るのです』
畑が1ヶ所だと雹害や病気で全滅するリスクがあるが、50ヶ所に分散していれば、病気が全ての畑に伝染する事もなく、雹害も限定的な被害で済むのです。
『収量を確保する為に、10年程度で植え替えられる事が多いプロセッコで、樹齢70年以上の古い区画を多く所有している。葡萄の表現力は格段に高い』
収穫は全て手作業で行い、畑で選別。その後、カンティーナに搬入した時点で再度、選別が行われ、醸造。醸造後にも自分達の名前で販売するかどうかを再度選別します。
『全収量の50%以上は葡萄、もしくは、ワインの状態で他の造り手に販売しています。マルスレットとしてボトリングするのは全収量の半分以下なのです』
畑で良い葡萄を選び、50以上ある畑の中で良い結果の畑を選び、醸造します。その後、ワインになった状態で更に選別。自分達が満足できるワインだけがマルスレットになるのです。
『収穫後に空気圧で優しくプレスしますが、最大でも70%まで。後半の30%は果皮、種子に近く、雑味が抽出されるのでマルスレットには使いません』
❖6ヶ月以内が本当の美味しさ❖
プロセッコは熟成しません。工業的でないプロセッコの本当の飲み頃はボトリング後、6ヶ月以内と言われます。フレッシュな香とフルーツ感こそがプロセッコの命なのです。
『アウトクラーヴェで酸素から守られて醸造されたプロセッコは酸化に弱く、特に揮発的な香はボトリングしてから6ヶ月以降は落ちていくので、本来の美味しさを失っていく』
プロセッコこそ現地で飲むのが1番美味しいんです。マルスレットはテラヴェールが発注してから瓶詰め。日本まで2ヶ月半で運ばれ、3ヶ月以内で消費されています。だから美味しいんです。
『プロセッコは繊細なワイン。温度、湿度の管理を正しく行い、6ヶ月以内に味わう事で、本当のプロセッコの個性を味わう事ができる。多くの人は誤解しているのです』
■プロセッコ・ヴァルドッビアデーネ
スイ・リエヴィティ・ブリュット・ナチュール
マルスレットの新しい挑戦。フレッシュなプロセッコらしい美味しさではなく、違う美味しさの可能性を求めて試作を繰り返し、ようやく製品化しました。
『ボトル内で2次醗酵(メトド・アンセストラーレ)させ、澱をそのまま残した状態で少し熟成させる事で酸化から守りながら旨味をワインに与えている』
澱を残したまま、デゴルジュマンしていないので澱がボトルの底に溜まった状態。ドサージュなし。上澄みを飲んでも良いし、澱を混ぜてクリーミーさを味わっても楽しいんです。