Santa 10 サンタ・ディエチ

イタリア Italia / Toscana

5軒しか存在しない『シエナ』の造り手の1人

会計士を辞めワイン造りに転身。キャンティの造り手パーチナにワイン造りを教わりながら、年々成長している若手注 目株。もう既に偉大なサンジョヴェーゼの片鱗を見せ始めている。

シエナに5軒残るカンティーナ

税理士として働いていた「ジャンニ・マッソーネ」はスト レス性胃炎で体調を崩してしまう。仕事を続けていく か悩んでいた時、相談したのが「パーチナ」の当主 「ステファノ」だった。

『妻の妹がパーチナのステファノと結婚していたので 親戚のような関係だった。ステファノの自由な生き方 に惹かれていった』

「ジャンニ」は税理士を少し休みながら自宅周辺の荒 れ果てた葡萄畑を再生し始める。

『2003 年にサンジョヴェーゼを中心にプティ・ヴェル ド、カベルネを植樹した』

お爺さんが所有していた 1.5ha の葡萄畑と 480 本の オリーヴの樹を含む 8ha の土地を相続し、地下を熟 成庫、ガレージを醸造所に改装してしまう。 場所はシエナの南 10km の丘の上。自宅の周辺が 葡萄畑になっている。その周辺を森林が囲っていて 自然に囲まれた環境。

『シエナには造り手は 5 軒しか残っていない。シエナ に近いので皆シエナで働くことを選び、葡萄畑は荒 廃していった』

「パーチナ」の「ステファノ」の協力で葡萄畑を再生し ていった。無施肥の自然農法を実践しながら、土壌 を作っていく。

『今まで一度も薬品を使っていない畑。除草剤も肥 料も使用していない。葡萄以外の植物が育っていた ので複雑性もある』

醸造に関しても全くの素人だったので「ステファノ」に 学び、自然なワイン造りを目指していった。

『50 年以上放置されていた畑。見た目は悪いが土 壌は健全だった。凝灰岩と砂を多く含む粘土質でト ゥーフォと呼ばれる』

年産500ケース

2007 年が初ヴィンテージ。年産 500 ケースの生産 量なので専業では不可能。税理士を続けながら、毎 朝、毎週末に葡萄畑を管理している。 醸造所は小さなステンレスタンクが 5 つだけ置ける小 さなもの。設備も最小限。

『発酵はステンレスタンク。温度管理機能は付いて ないので 30 度まで温度が上がらないように冷水を かけながら発酵させる』

発酵は野生酵母のみ。ボトリング前の極少量の亜硫 酸以外は何も足さない。清澄もしない。フィルタリング も行わない。 「サンタ・スビト」は樽にも入れないでステンレスタンク で熟成。何度か移し替えをすることで澱をひく。 「サンタ・ディエチ」はトノーで熟成。少しずつ色々な樽 を買い足していてフードル樽も試している。 以前は発酵容器も揃っていなかったので全品種を 同じタイミングで収穫していたが、ここ数年で分けて 収穫し、発酵させるように変更。

『カベルネは早く熟すので、以前は過熟していた。今 ではカベルネをベストのタイミングで収穫し、発酵で きるのでワインに構成力が出てきた』

樹が若いのでサンジョヴェーゼだけでは味の構成力 がなく、複雑味が足りない。最適のタイミングで収穫 されたカベルネはワインに背骨を与えてくれる。

『キャンティよりも重厚で硬いので飲み頃になるまで に時間が必要。今後は少しマセラシオンを短くして 飲みやすさを出したい』

「サンタ・ディエチ」のリリースは収穫後 5 年。バローロ よりも長い熟成期間を経てリリースされる。

家族を表すエチケット

自宅兼醸造所の隣には中世の塔が建っていてアグリ ツーリズモになっている。地下で自宅とつながってい てボトル熟成庫になっている。

『塔の地下を修復していたら、昔ワイン貯蔵庫であっ たことが判明した。その時にワイン造りという私の夢 の選択は正しかったと確信した』

「ジャンニ」と「エリサ」夫妻は 2 人の子供と共に暮らし ている。彼等のエチケットは家族を表している。

『樹は家と葡萄の樹を表す。4 つの葉は家族 4 人を 表していて、葡萄の樹のように家族 4 人が成長して いく様を表している』

また、彼等はサンジョヴェーゼを使ってブランデーを 蒸留している。果皮ではなく、果汁を蒸留したブラン デー「スピリト・サンタ」も秀逸。

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商品記号 ワイン VIN サイズ 参考上代 葡萄品種 メモ
A8299 Santa Subito / Santa 10 サンタ・スービト / サンタ・ディエチ 2020 750㎖ 2,900円 CanaioloCiliegioloCo Subito=直ぐに
現代では希少な34%カナイオーロ、33%チリエジョーロ、33%コロリーノのトスカーナの伝統的土着品種のアッサンブラージュワイン。トスカーナの素朴な家庭料理と共にあった農民のワインの再現なので、若い内にすぐに(スービト)飲めるワインに仕上げている。ステンレスタンクで野生酵母のみで発酵。15日間マセラシオン。8~12ヶ月間ステンレスタンクで落ち着かせてからノンフィルターでボトリング。

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A6437 Santa 10 / Santa 10 サンタ・ディエチ / サンタ・ディエチ 2015 750㎖ 4,600円 SangiovesePVCF トゥーフォ土壌のサンジョヴェーゼ
トゥーフォと呼ばれる黄色い粘土質主体でキャンティ・クラシコとは異なり、熟成ポテンシャルが高い。ステンレスタンクで野生酵母のみで発酵。15~20日間の長期マセラシオン後、スラヴォニア大樽に移してマロラクティック発酵。色々な大樽で12~24ヶ月間熟成。ノンフィルターでボトリング。サンジョヴェーゼの香、カベルネ・フランの骨格、プティ・ヴェルドのスパイス感をワインに移していく。

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A8300 Santa 10 / Santa 10 サンタ・ディエチ / サンタ・ディエチ 2017 750㎖ 4,600円 SangiovesePVCF トゥーフォ土壌のサンジョヴェーゼ
トゥーフォと呼ばれる黄色い粘土質主体でキャンティ・クラシコとは異なり、熟成ポテンシャルが高い。ステンレスタンクで野生酵母のみで発酵。15~20日間の長期マセラシオン後、スラヴォニア大樽に移してマロラクティック発酵。色々な大樽で12~24ヶ月間熟成。ノンフィルターでボトリング。サンジョヴェーゼの香、カベルネ・フランの骨格、プティ・ヴェルドのスパイス感をワインに移していく。

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A7624 Santa Tre / Santa 10 サンタ・トレ / サンタ・ディエチ 2021 750㎖ 4,200円 Trebbiano マセレーション
2012年からトレビアーノ単一でワインを造り始めた。シエナ南部、東向きの畑。できる限り葉を多く残して葡萄が焼けないように栽培。できる限り遅い収穫。収穫後、徐梗してステンレスタンクに投入。足で踏んで破砕して野性酵母のみで発酵。マセラシオンは5日間。12ヶ月ステンレスタンクで熟成後、ノンフィルターでボトリング。

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AF225 Teresa / Santa 10 テレサ / サンタ・ディエチ 2022 ロゼ 750㎖ 4,300円 Ssngiovese 初リリース
9月初旬に手摘みで収穫。収穫後1時間半以内の除梗し、非常にフレッシュな状態でステンレスタンクに入れる。プレスもせず3時間そのまま放置し、自然に出たモストを使用。温度管理はせず、ステンレスタンクで6ヶ月間自然発酵、熟成。

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A4970 Spirito Santa Brandy / Santa 10 スピリト・サンタ・ブランデー (箱) / サンタ・ディエチ 2011 蒸留 500㎖ 12,000円 SangioveseCanaiolo 絞り粕ではなく果汁
サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランからのIGTトスカーナの赤ワインを蒸留。伝統的なバーニョ・マリア・アランビック蒸留器で2回蒸留。1回目の蒸留で得たアルコールは雑味が多いので2回目の蒸留で注意深く質の良い状態の物とそうでない物に分ける。その後アルコール度数を60%まで希釈しステンレスタンクにて2年間寝かせる。瓶詰前に2回フィルターをかける。その際アルコール度数は41%になってる。ボトリング後1年寝かせてからのリリース。

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