Dei デイ
イタリア Italia / Toscana
トスカーナで最も暑い『完熟ワイン』
高貴なワインを意味するヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ。圧倒的な果実味で大きなワインに仕上がっている。 その中でもデイは力強さと柔らかさを併せ持つ。
家族用に造り始めた
1964 年「アリブランド・デイ」が「ボッソーナ」を購入し、 葡萄を植えたのが「デイ」の始まり。「ボッソーナ」は古 くから土壌の複雑性と立地から「モンテプルチャーノ」 最良の畑の 1 つと言われていた。 一方、息子「ガリレオ・デイ」はトスカーナ南部に大理 石の採石場を立ち上げ大成功。高級大理石ブランド として今でも世界中に出荷している。 1973 年には「ボッソーナ」とは違う個性の畑「マルテ ィエーナ」を購入。「ガリレオ」は葡萄栽培だけでは物 足りなくなり 1985 年、趣味でワイン造りを開始。
『1985 年は友人のセラーで 1 樽だけワインを造った。 偶然素晴らしい年で上手くいった。ワイン造りは趣 味だったのに本気になってしまった』
1989 年には醸造所を建設。1991 年には現当主、 娘の「カテリーナ」が参加し、本格的に高品質ワイン 造りが始まった。
『カテリーナはオペラ歌手として活動していたがカン ティーナを継ぐことを決意。ワインは音楽と同じで情 緒的な飲み物』
醸造責任者は「パオロ・カチョルナ」。2 人の共通する 理想のワインは土地の味がすること。 「ヴィーノ・ノビレ」らしい陽気なワインであり、サンジョヴ ェーゼの繊細さを感じられるワインが理想。
トスカーナのポムロール
「ヴィーノ・ノビレ」はトスカーナの「ポムロール」と称さ れる。柔らかく肉厚。硬さはなく、ヴェルヴェットのよう な質感が「ポムロール」を連想させる。
『キャンティでもモンタルチーノにも無い個性。難しい ワインではなく陽気で楽しいワイン。でも繊細さがあ る。誰もが楽しめるワイン』
所有地は 120ha。その内 50ha が葡萄畑。標高は 300m。トスカーナの南端なので日差しが強く、体感 温度はキャンティより 3 度以上高い。 畑は「ラ・チャルリアーナ」「ラ・ピアッジャ」「マルティエ ーナ」「ボッソーナ」の 4 ヶ所に分かれている。
『ラ・チャルリアーナは重い粘土質。ワインは重厚で 果実の表現に向く』
『ラ・ピアッジャとマルティエーナは砂質が混じる粘土 質でグレーがかった色調。ワインは繊細でフレッシュ に仕上がる』
「ヴィーノ・ノビレ」は色々な畑の葡萄をアッサンブラー ジュ」することでバランスを取っている。
最良の畑ボッソーナ
最も重要な畑は「ボッソーナ」。彼等の起源とも言え る畑でリゼルヴァを造っている。樹齢は 70 年。
『ボッソーナは凝灰粘土質で鉄分が多いので赤い土 壌。貝の化石が多く含まれる。ワインは凝縮度が高 く、骨格のしっかりしたもの』
最も標高が高く、ピエモンテのような急斜面。水はけ が良いので葡萄粒は小さい。 日照量が多いので果皮が厚い。岩盤が地中 20m に 通っていて 2003 年のような酷暑でも岩盤の上に水 が貯まっているので水不足にならない。 また、年間を通してウンブリアとの州境の湖からの冷 涼な風が吹き抜ける為、昼夜の温度差がある。これ によって酸度が落ちることがない。
■ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ 90%サンジョヴェーゼ、10%カナイオーロ 色々な畑の葡萄を別々に発酵。バランスを取りなが らアッサンブラージュする。 28 度以下で発酵。20 日のマセラシオン。スラヴォニ ア大樽で 24 ヶ月熟成。
■ヴィーノ・ノビレ・ボッソーナ 100%サンジョヴェーゼ ステンレスタンクで発酵。少し長めの 30日のマセラシ オンでより骨格のあるワインに仕上げる。 36 ヶ月トノー熟成。その後、最低 12ヶ月瓶内熟成を 経て出荷する。
■ロッソ・ディ・モンテプルチャーノ 90%サンジョヴェーゼ、10%カナイオーロ、メルロー 「マルティエーナ」の若い樹と各畑の斜面下部の水 分が多い葡萄を使う。 熟成は 3 ヶ月だけスラヴォニア大樽。すぐにボトリング して 6 ヶ月落ち着かせてから出荷。