Casalvento (Livernano) リヴェルナーノ/カサルヴェント
イタリア Italia / Toscana
高地のキャンティ・クラシコ『ラッダ・イン・キャンティ』
標高650m のラッダ・イン・キャンティ山中に畑を所有。ゆっくりと熟す果実がサンジョヴェーゼのポテンシャルを引き出 す。プロ・サングエはサンジョヴェーゼの最高峰の1つ。
高地ラッダ・イン・キャンティ
トスカーナ中心部「ラッダ・イン・キャンティ」の町から 少し離れた山奥、標高 550m を超える高地に「リヴェ ルナーノ」は位置する。 現当主は「グッドラン・クイロ」。醸造責任者は 20 年 以上働いている「アルベルト・フッシ」。
『リヴェルナーノは特別な場所。ラッダ・イン・キャンテ ィの山の上にあり、まわりには他の生産者の畑はな い。周囲は全て森』
前オーナーが森を開墾して作った畑。サンジョヴェー ゼの理想を追求し、標高 550~650m で太陽が長く あたる南斜面と西斜面のみが畑になっている。
『理想的な畑だったが醸造設備は不衛生で最高で はなかった。最新のステンレスタンク、除梗機、グラ ヴィティシステムを採用した』
「グッドラン」はアメリカで日本車の販売を仕事にして いたが、イタリアでの田舎暮らしに憧れて移住。ワイン 造りの理想郷としてカンティーナを購入した。 現在はアメリカでイタリアワインのインポーターの仕事 をしながら、自分達のワイン造りも行っている。 彼等の理想は低価格でありながら本物のサンジョヴ ェーゼの味わいを表現するワイン。
『ワインは飲み物であって芸術品ではない。毎日飲 める価格で、自分達らしい土地の個性を活かしたワ インを造りたい』
30%は猪、鹿、鳥が食べる
標高 600m の畑は「キャンティ・クラシコ」では最も高 い位置にある畑。夏でも山の下の畑より 3~5度気温 が低い。畑には白い石が敷かれ日中の温度を吸収 し、夜間の冷え過ぎを防いでいる。
『アルベレッロ仕立を採用している。収量が自然と抑 えられるし、葡萄が地面に近い位置に付くので地熱 で完熟する』
「アルベレッロ仕立」のサンジョヴェーゼは非常に珍し い。収量はグイヨの 2/3 まで減るが凝縮する。 グイヨと違い影になり難いので陽光をより長い間浴び ることができるのも大きな特徴で葉の量を調節して熟 度を調節している。
『培養酵母は使わない。野生酵母のみで発酵。野生 酵母を多くするのは畑での薬剤を使わないこと。ボ ルドー液も夏以降は使わない』
薬剤を使用しない畑は山奥にあるので、動物による 被害が非常に多い。畑を電線で囲って軽い電気を 流して猪、鹿対策をしている。
『鹿、猪と鳥の被害は山に畑があるので仕方がない。 毎年 30%は動物に食べられてしまう』
動物による被害は大きいが、動物の糞が土壌を活性 化し、病害虫の駆除もしてくれるのだそう。自然との 共存が彼等の拘りでもある。
純血という名のサンジョヴェーゼ
1993 年にワイン造りを開始して以来、各評価誌で高 い評価を得続けている。 トップ・キュヴェの「リヴェルナーノ」は 1997 年以降 3 年連続の 3 ビッケーレ獲得。「ヴェロネッリ」、「エスプ レッソ」でも最高評価。 「プロ・サングエ」はサンジョヴェーゼ 100%の中で毎 年最高の評価を得ている。1 つの完成型でフィレンツ ェの「エノテカ・ピンキオーリ」が全量を買い占めてい たことでも有名。
『最も重要なのはベースのキャンティ・クラシコ。ベー スのワインの品質が高いことで造り手の本気度が解 ると思っている』
≪キャンティ味わい比較≫
■キャンティ・クラシコ・リヴェルナーノ 80%サンジョヴェーゼ、20%メルロー サンジョヴェーゼの鉄、梅のような風味、硬質感をメ ルローで柔らかく調整している。ボトリングして、すぐに 美味しく開いた状態になっている。
■キャンティ・クラシコ・カザルヴェント 80%サンジョヴェーゼ、20%カベルネ 「リヴェルナーノ」に使われるカベルネの若い樹をブレ ンドしている。果実の力強さがあり、ボリューム感とジ ューシーさが特徴。