Elio Altare エリオ・アルターレ

イタリア Italia / Piemonte

4日間の超短期マセラシオン『バローロ』

バローロの革命児とも評されるエリオ・アルターレ。現在は娘のシルヴィアと日本人 CHO TESU さんも加わり、エリ オを中心に更に純度をめている。近年、カンヌビを取得。

ランゲの改革

「エリオ」が成し遂げたのは「バローロ」のモダン化で はない。廃れていたランゲの復興だった。 転換点は1976年のブルゴーニュ視察。葡萄の質を 高め、ボトリングまで行うことで仲買人による葡萄買 取りシステムから脱却できることを学んだ。

『当時は誰も導入していなかったグリーンハーヴェス トや摘芯を導入したのもエリオだった』

収量を一般的な造り手の半分以下まで落とすことで 葡萄の質を高めていった。当時の他の造り手には葡 萄を切り落とす行為は受入れ難いものだった。 更に反対する父親の前で大樽をチェンソーで切り刻 み、バリックを導入した。

『エリオは清潔でなかった大樽を捨てた。酸素コンタ クトによってリリース当初から美味しいバローロを造 りたいという強い信念があった。これが原因で父親 とは死ぬまで仲直りできなかった』

農民としてのワイン造り

エリオの名刺には VITICOLTORE(農民)と記され ている。モダンというイメージだが、1979 年より除草 剤や殺虫剤、化学肥料は使っていない。

『摘芯もカッターではなくハサミで切る。手で切るこ とで切り口が広がらない。切り口から病気になるの で最小であるべき。昔、農民は皆知っていた』

当時としては短期間マセラシオンやバリックの導入 は衝撃的だった。しかし、同時にエリオは農民のワイ ンである事(自然な醸造)を重要視している。

『例えば酵母。自然派生産者も培養酵母を使用し ていることが多いが、エリオは自然酵母のみ』

発酵をスムーズに始める為に早めに収穫した葡萄 の果皮に付着した自然酵母を培養し、各キュヴェの 発酵のスターターに使用している。酸化防止剤もビ オロジックの規定より圧倒的に少ない。

4日間の超短期間マセラシオン

大きな特徴が超短期間のマセラシオン。「カヴァロッ ト」の 30 日に対して彼等は 4 日間。

『ロータリーファーメンターの目的は強い抽出ではな い。15分に1回程度ゆっくり回転させることで果帽 が常時ワインに浸かっている状態にすること』

早く回転させれば強い抽出が可能だが、ゆっくり回 転させている。 強い抽出ではなく、果帽を常に浸けておくことが目的。 質の高いタンニンだけを取り出す。

『4 日のマセラシオンでもアルコール発酵がスムーズ に進めばアルコールが媒介となってアントシアニン 等も早く安定する』

早い回転で抽出しなくてもアルコールがスムーズに 生成されればアルコールが媒介となって色素は安 定する。マセラシオンが短くても色合いは十分。

■アルボリーナ 標高 300m のすり鉢状。砂比率が高い「ラ・モッラ」 らしい畑。「アルボリーナ」の一番良い区画にはバル ベーラが植えられている。これが「ラリージ」。

■チェレッタ・ヴィーニャ・ブリッコ 「セッラルンガ」のプルミエ・クリュとでも言うべき畑。 標高 390m。鉄やマンガンが多く骨格のしっかりした ワインだが、エリオらしいしなやかさがある。

■カンヌビ

『2010 年にカンヌビを取得。カンヌビ・カンヌビと言 われる中央部で最も良い区画』

実験的に機械除梗ではなく、人間の手作業で1粒1 粒除梗した「ウノペルウノ」が造られている。 機械では葡萄を痛めることや腐敗果が混入すること もあるが1粒も見逃さず、完璧な葡萄を使用すると いう日本人的発想から造られた。 『ウノペルウノはテスの考案。腐敗果は 1 粒も混入 しないが、機械と違い手作業は時間がかかるので 酸化との戦いになる』

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WINE LIST

商品記号 ワイン VIN サイズ 参考上代 葡萄品種 メモ
A9612 Barolo / Elio Altare バローロ / エリオ・アルターレ 2019 750㎖ 16,000円 Nebbiolo --
単一畑の考え方が浸透する以前のバローロの伝統であった色々な畑の葡萄をアッサンブラージュすることでバランスさせるクラシック・バローロ。ラ・モッラ、カスティリオーネ、セッラルンガの葡萄を使用する。醸造は他のバローロと同じく、水平式ステンレスタンクで4~5日のマセラシオン。熟成はバリックで24ヶ月(30%新樽)。

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A9613 Barolo “Arborina” / Elio Altare バローロ・アルボリーナ / エリオ・アルターレ 2019 750㎖ 19,000円 Nebbiolo --
ラ・モッラを代表する畑の1つでカンティーナの真下に広がる畑。砂質が非常に強いので最もラ・モッラらしい畑とも言われる。悲運なのは雹の通り道になっているので雹害が多い事。アルターレでは雹対策でネットを張り、雹害から葡萄を守っている。4~5日のマセラシオン。熟成はバリックで24ヶ月(30%新樽)。

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A9614 Barolo “Cannubi” / Elio Altare バローロ・カンヌビ / エリオ・アルターレ 2019 750㎖ 38,000円 Nebbiolo --
2012年から造り始めたカンヌビの中でも最も優れた区画と言われる中央部、カンヌビ・カンヌビと呼ばれる区画。樹齢は30年。ビオロジックで畑を再生し、完璧な状態になっている。水平式ステンレスタンクで4~5日のマセラシオン。熟成はバリックで24ヶ月(30%新樽)。年産1500本。栽培はTESUさんが担当。

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A9615 Barolo “Uno per Uno” / Elio Altare バローロ・ウノ・ペル・ウノ / エリオ・アルターレ 2019 750㎖ 52,000円 Nebbiolo --
1948年にエリオのお父さんが植えた樹齢70年の区画の葡萄を使用。収穫後、従業員全員で葡萄を1粒1粒手で除梗して腐敗果を完全に取り除いて発酵させた。1粒も腐敗果が入っていない完璧を追求したワイン。一方で除梗に3日間かかるので酸化のニュアンスも出ている。4~5日のマセラシオン。熟成はバリックで24ヶ月(30%新樽)。

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A9616 Barolo Riserva “Cerretta Vigna Bricco” / Elio Altare バローロ・リゼルヴァ・チェレッタ・ヴィーニャ・ブリッコ / エリオ・アルターレ 2017 750㎖ 22,000円 Nebbiolo --
「セッラルンガ・ダルバ」チェレッタはジャコモ・コンテルノ等16生産者が所有しているが、ヴィーニャ・ブリッコは3生産者のみ。鉄分が多い畑。水平式ステンレスタンクで4~5日のマセラシオン。熟成はバリックで36ヶ月(30%新樽)。チェレッタは硬質なので最低3年瓶内熟成を経てから出荷される。チェレッタらしさとエリオ・アルターレらしさが両方感じられるのが素晴らしい。

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A9617 Langhe Rosso “Giarborina” / Elio Altare ランゲ・ロッソ・ジャアルボリーナ / エリオ・アルターレ 2020 750㎖ 14,800円 Nebbiolo --
アルボリーナのネッビオーロのみを使用するが、2012年からランゲ・ロッソは畑名を名乗れなくなったので「ジャ・アルボリーナ(既にアルボリーナだった)」と皮肉を込めた名称に変更。収穫時期等全てバローロ・アルボリーナと同じで、違いはバリック比率と熟成期間のみ。バローロ・アルボリーナは新バリッック30%で24ヶ月熟成。ランゲ・ロッソ・ジャルボリーナは100%新樽のバリックで18ヵ月間熟成。

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A9618 Langhe Rosso “Larigi” / Elio Altare ランゲ・ロッソ・ラリジ / エリオ・アルターレ 2020 750㎖ 14,800円 Barbera --
100%バルベーラ。100%新樽のバリックで18ヵ月間熟成。樹齢70年(1948年に植樹)という貴重なバルベーラから造られる。ラリジという区画はアルボリーナの頂上部、最も良い区画にある。お爺さんが自家消費用のワインを造る為に自分の一番好きなバルベーラを植えていた名残。ジャコモ・ブライダと共に1982年からバルベーラの新しい可能性を求めて造り始めたワイン。

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A9619 Langhe Rosso “La Villa” / Elio Altare ランゲ・ロッソ・ラ・ヴィッラ / エリオ・アルターレ 2020 750㎖ 14,800円 Nebbiolo Barbera アルボリーナ+ラリジ
ネッビオーロとバルベーラというこの地域で伝統的に造られていたアッサンブラージュ・ワイン。1989年がファーストヴィンテージで当時はモンフォルテのラ・ヴィッラ畑の葡萄を使用していた名残で「ラ・ヴィッラ」という名前を残している。現在はアルボリーナとラリジの葡萄を使用して100%新樽のバリックで18ヵ月間熟成。

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A9620 Barbera d’Alba / Elio Altare バルベーラ・ダルバ / エリオ・アルターレ 2022 750㎖ 4,800円 Barbera アルボリーナ横の北東向の畑
アルボリーナの脇に隣接する畑で北東向き、土壌はアルボリーナと全く同じで粘土石灰質で砂質を多く含んでいる。樹齢は10~20年程度。収穫後、水平式ステンレスタンクで3~4日マセラシオン。発酵終了後、しばらくステンレスタンクで熟成。その後、古いバリックに5ヶ月間だけ入れて熟成。ボトリング後、瓶内熟成1年間。

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A9621 Dolcetto d’Alba / Elio Altare ドルチェット・ダルバ / エリオ・アルターレ 2022 750㎖ 4,000円 Dolcetto 樹齢20~40年
ラ・モッラのアルボリーナと反対側の北側斜面に植えられたドルチェット。樹齢20~40年。早熟な品種なので糖度と酸度を見ながら完璧な時期に収穫することが大切。1日遅れれば醸造では修正出来ない程、収穫が重要。2~3日のマセラシオンで水平型ステンレスタンクで発酵。熟成もステンレスタンクのみで10ヶ月間。青さがなく、チェリーのような風味がエリオのドルチェットの特徴。

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A9622 L’Insieme / Elio Altare リンシエメ / エリオ・アルターレ [2020] 750㎖ 12,000円 CSPVSyDoBaNb 1997年からのプロジェクト
カベルネ40%、プティ・ヴェルド5%、シラー5%、ドルチェット、バルベーラ、ネッビオーロをあわせて50%。カベルネ、プティ・ヴェルド、シラーは日照量が少なくても熟す事からアルボリーナの下部に植えられている。3~4日間ステンレスタンクでマセラシオン。熟成はフランス産のバリック(新樽100%)を使い約15~18ヶ月間。1年間瓶内熟成してから出荷。

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