Cave du Vin Blanc de Morgex カーヴ・デュ・ヴァン・ブラン・ド・モルジェ

イタリア Italia / Valle d’Aosta

世界最高標高1200m の畑『モルジェ』

高地でも栽培が可能なプリエ・ブラン種の爽やかな白ワイン。ヴェロネッリが『最も無くなって欲しくないワイン』と評 したことでも有名。栽培エリアは20ha しかない。

ヴェロネッリが愛したワイン

緑がかった光沢のある色調。細身のワインながら、 鉱物的で上質な酸は高地ならでは。香は直線的で 全く曇りがない。

『アロマティックでなく硬質。アルプスの岩清水のよ うに爽やか。プリエ・ブランならではの味わいで他の 産地にはない』

フランス国境に近い「モルジェ」の町の周辺と「サッ レ」地区合わせて 20ha という小さな産地が「ブラン・ ド・モルジェ・エ・デラ・サッレ」。 この産地を引率してきたのが1983年設立の協同組 合「カーヴ・デュ・ヴァン・ブラン・ド・モルジェ」。栽培 農家参加型の地元密着協同組合。

『栽培農家は醸造所である一定期間働かなければ ならない仕組みになっていて、葡萄栽培だけでなく、 実際の醸造や瓶詰めも組合員が行う』

イタリアワインの品質向上と地域性を提唱した故「ル イジ・ヴェロネッリ」は彼等のワインの支持者。

『20ha しか残っていないプリエ・ブラン種。イタリア のワインで最も無くなって欲しくないワイン』

(ルイ ジ・ヴェロネッリ)

モンブランが育てたワイン

「モンブラン」を望む断崖絶壁に位置する畑は最も高い標高で1,200m。ヨーロッパで最も標高の高い葡萄畑ということになる。

『栽培学では通常標高 600m を超えると葡萄栽培 は難しいとされる。プリエ・ブラン種は高地に適応す る珍しい品種』

厳しい自然環境に耐える品種は限られる。プリエ・ブ ランは古くからこの地域に適応してきた。この品種以 外は植樹することすらできない。

『プリエ・ブランは少ない日照でも生きる。そして発 芽から完熟までの期間が短いので寒波が来る前に 収穫できる』

1 年を通じて極端に気温が上昇することがない。し かし、直接の日光だけでなく残雪で白いモンブラン に反射した日射も葡萄育成を促進する。

『モンブランの雪が日光を反射して葡萄樹を温める。 春には雪が解けて土壌に水分を与える。モンブラン が葡萄を育ててくれる』

ワイン造りを苦しめる最大の問題は春先の遅霜。発 芽準備に入った葡萄の芽は霜によって全滅してしま う年もある。 非常に厳しい環境。果実を付けたとしても丁寧な摘 葉、摘房をして熟度を保つ努力が必須。 最終的に熟度が足りない葡萄を選別すると 1ha か ら 3,000 本以下しか造ることができない。 仕立ては極端に低い「ペルゴラ」。冬の間の強風や 霜にも対応できる仕立。また、表土が日中の熱を夜 間放射する際、低い仕立ての方が熱を葡萄樹に取 り込みやすいという利点もある。 畑は急斜面に岩壁で張り付くように作られた段々畑。 トラクターなどの大型の機材は入れない。 よって毎日の畑仕事、雑草対策、収穫まで全てが 手作業で行われる。

『一番の問題は高齢化。老人にとって急勾配の 段々畑での作業は大変だし、危険。栽培放棄され 荒地になってしまった畑も多い』

また、標高の高さによってカビや病原菌が少ないの もこの地域の大きな特徴。除草剤は勿論、防カビ剤 も使用しない。ボルドー液のみ使用。

『霧が多く湿気の多いピエモンテに比べて雨が少な く乾燥している。昔から農薬の量はピエモンテの 1/4 程度と少ない』

フィロキセラも辿りつけなかった

厳しい環境の為に徐々に葡萄栽培家や生産者の 数は減少している。栽培家にとっても厳しい環境だ が「フィロキセラ」にとっても厳しい環境。

『標高が高いのでフィロキセラも辿りつけなかった。 自根の樹をプロヴィナージュで残している』

彼等は貴重な原種の「プリエ・ブラン」を残す為にプ ロヴィナージュで種を残している。

『死んだ樹の隣の樹の枝を地中に一度通し、先端 を地表に出しておく。地中の枝から根が生えて 1 つ の樹に成長していく』

枝が成長し 3 年後位には親木から切り離し、1 つの 樹として成長していく。 枝が 1 つの樹になっていく期間は病気にも弱い状態。 樹がつながっている間に子供の樹が病気になると親 樹にも伝染してしまうので危険な手法だが、これによ ってしか原種は残せない。

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