La Ca’nova ラ・カ・ノヴァ

イタリア Italia / Barbaresco/Piemonte

唯一残る農家の地酒『バルバレスコ』

自宅下に造られたカンティーナはステンレスの発酵槽と伝統的大樽、垂直式プレスだけというシンプルなもの。特別 なことは何もなく、代々家族で行ってきたワイン造りを続けていくだけ。

農家のバルバレスコ

「バルバレスコ」の町に近い「モンテステファノ」の丘 に 12ha の畑を所有する「ラ・カ・ノヴァ」。 代々バルバレスコに続く農家で野菜、家畜の飼育と 一緒に葡萄栽培も行ってきた。現当主「マルコ・ロッ カ」の父親の代からボトリングを開始し、今ではワイン 造りのみとなっている。

『今ではバルバレスコは有名産地になり、現代的で 高価なワインになってしまった。僕等が造っている のは昔の地酒としてのバルバレスコ』

「新しい家」という名のカンティーナ名だが家は古く、 自宅の地下部分が醸造所になっている。 醸造所には 50 年前から使っている垂直式プレス機 や、同じく 50 年前から使っているスロヴェニア産大 樽が並んでいる。 1人乗りの小型トラクター1 台は所有しているが、そ の他は昔ながらの木製の鍬や鋼の鋏などが現役で 使われている。

『農民は鋏で葡萄を整形することで、その樹の健康 状態を知った。電動カッターでは葡萄樹の健康状 態を知ることはできない』

科学的なものを極力排除し、雑草が青々と茂った 健康的な畑。山道に手製の木の看板が掲げられて いるが朽ち果てている。そこが醸造所だとは誰も気 が付かない。 地元では昔ながらの造り手として有名だが、輸出を していなかったので海外で名前を聞くことはない。ホ ームページもフェイスブックもない。

『2008年ガンベロ・ロッソで 3 ビッケーレを獲得した ことで一気に注目を浴びた』

以前は 5 ヴィンテージもストックがあったが、今では 最新ヴィンテージもすぐに売り切れてしまう。 ワインはふくよかな果実が素直に感じられる。シリア スさや緊張感のあるワインではなく、まさに田舎の地 酒的な味わい。

温度管理さえしない発酵

セラーではこの地方の伝統を守り、現代的な技術は 一切排除される。

『発酵槽も熟成槽もただの容器。ここでは伝統的に 大樽が使われてきた。何の不都合もないので変え ようと思ったこともない』

発酵槽は温度管理機能も付いていないステンレス タンクのみ。熟成は 3,000 リットル以上の色々な大 樽が並んでいる。 特に拘りはなく、父親が使っていたものと廃業した造 り手から買い取ったものを使っている。圧搾機も木 製の昔ながらのもの。 全く近代醸造技術を感じさせない農家の醸造所。 電気が通っているのは照明のみ。勿論、「バリック」 も「ロータリーファーメンター」も存在しない。30 年前 と何も変わらない醸造所。

伝統の畑モンテステファノ

『僕等は醸造家ではなくて農民。だから醸造でワイ ンの品質を上げることはできない。畑で健全な葡萄 を造ることでワインの質を上げる』

「ビオディナミ」はよく知らない。全く興味がない様子。 伝統と経験から判断し、防カビには銅を使うなど科 学的なものはできる限り排除している。

『防カビ剤は葡萄の果皮を弱くするが、銅は葡萄の 皮を強くする。だから少量使う。収穫前の 3 ヶ月前 からは一切使用しない』

畑は自宅の周辺。丘の頂上付近に所有。「モンテス テファノ」は貴重な畑でバルバレスコのエリア内で最 も石灰質比率が高い畑と言われている。 表土は白く石灰含有量の多さが解る。粘土が強く、 保水性に優れている。暑い夏も葡萄が過度のストレ スを感じることも、焼けてしまうこともない。

『モンテステファノは凝縮度が高い。タンニン量は多 いが果実が強いので乾いたタンニンを強く感じるこ とはない。太陽を感じるバルバレスコ』

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