Chateau Gaston Rena シャトー・ガストン・レナ

フランス France / Bordeaux

セラーもエチケットもワインも全部手造り

ダニエル・ガストンのワイン造りは、「できるだけ自分の手で造りたい。」の言葉通り手造り感にあふれている。実はセラーも自分で建てた。ボルドーワインとしてはユニークなエチケットのデザインも画家の奥様作。

村で唯一の葡萄畑

サンテステフとポイヤックの境界の西のはずれ、オー・メドック・アペラシオンとしてはぎりぎりのレナ村にわずか2.4haのこの村唯一のぶどう畑がある。「ここを買ったのは1991年。もともとは林で、何もなかったんだけどオー・メドックのアペラシオンが認められる土地だったから決めたんだ。」とはオーナーのダニエル・ガストン氏。「荒れた土地でオー・メドック最西端ということもあり、安かったんだ。だけど地図で見れば分かるけど、シャトー・ラフィットの真西にあたる方位だよ。悪くない。」と冗談を飛ばす。

それでも畑に転がる砂利の大きさ、多さ、砂の多い軽い土壌は南のオー・メドックとは異なり、ポイヤックの畑と言われても全く違和感がないほど似ている。「栽培を始めたのは1991年からだけど、もともと土壌はいいんだ。ラフィットやコスと同じ沖積層で地中までたくさんの砂利を含んでいる。問題は土地の低さと気温。」ややくぼんだ状態の内陸のため、空気の流れが足りない。平年並みの気温ならば問題ないが、春先の気温が低いと霜害のリスクが他の地域より増す。「2017年は酷かった。実に半部位上が霜にやられた。生産量は1/3くらいになるだろう。仕方ないけど。」リスクを承知の上でこの土地で始めたとは言え、小さな生産者だけに被害は甚大だ。「今年はきっといい葡萄を育ててくれるさ。」と霜の季節を無事乗り切った時期だけに表情は明るい。

手造りが高じてセラーま自分で建てた

ダニエル・ガストンのワイン造りは“手造り”がモットー。「昔から何かを造ることが好きだったんだ。小さな畑を自分で作って、栽培も醸造も一人でやる。ただし特別なことはやらない。一人で出来ることをやるだけ。とてもシンプルだ。」収穫の時だけはアルバイトを雇うがそれ以外は瓶詰め、出荷まで全部一人で黙々と作業に没頭する。「この古い手動の圧搾機もまだまだ現役だよ。微妙な力加減でワインの質が変わる。そこが面白いんだ。」手動にしても特に小さい旧式の圧搾機を前にどこら誇らしげな表情で語る。「でも一人での作業は限界がある、2.4haの畑はボルドーでは小さいけど、一人で維持するにはこれが限界。だから畑は始めたときから広げていないしこれからも多分広げない。それがガストン・レナのいいところだと思っている。」それほど離れていない近隣の格付けシャトーが競って最新設備を導入する中、ダニエル・ガストンは昔ながらの趣のあるセラーで別世界のワイン造りを楽しんでいるようにさえ見える。

「実はこのセラーも自分で建てたんだ。少しずつ、少しずつ。だいぶ時間はかかったけどイメージどおりの理想のセラーができた。」ボルドーワインとしてはユニークなデザインのエチケットも実は画家である奥様の作品。「ちょっとボルドーらしくはないけど人に頼んだらお金もかかるしね。今ではとても気に入ってるよ。」

ビオディナミにはついてゆけないが・・・

「否定するつもりは全くないが、最近の行き過ぎたビオディナミの考えにはついてゆけない。理解するには年をとりすぎたのかもね。しかし無農薬有機栽培には共感するよ。自然に育てるのが一番だよ。ただし私は必要な時には最低限の処方はする。自分の子供が病気になった時、良くなる薬があれば使うだろ?そんな風に考えてしまうのは理屈っぽいかもしれないけど、要は使い方だと思う。2009年や2010年のように結果的に全く使わない年もあるしね。」ガストン・レナの畑は林だったをダニエル・ガストン氏が一から開墾した。だからそれまで農薬が使われたことがないもともと自然な畑だったためバクテリアも活発に活動している。農薬の散布が必要な時はその活動を妨げない最低限の量を守っているという。「無農薬は理想ではあるけどゴールではない。私は自分の手で自分の好みのワインを造りたいだけ。」肩肘張らないダニエル・ガストン氏の姿勢は手造りにこだわりをもつというより手造りを楽しんでいるように見える。出汁のような旨味の凝縮した柔らかな味わいには、彼の自然体の性格がにじみ出ているようだ。

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