Chateau Bolaire シャトー・ボレール

フランス France / Bordeaux

最も濃い品種プティ・ヴェルドを主体とした立体感のある味わい。

熟期が遅く、栽培が難しいとされる、通常は補助品種として使われるプティ・ヴェルドを、主品種として50%以上使い、黒く濃厚に仕上げる個性豊かなボルドー。

ジスクールとカントメルルに囲まれた畑

ボルドー市内からだどメドックの玄関、リュドンの次の村、マコーのシャトー。
 隣はシャトー・カントメルルの畑があり、数百メートル先にはマルゴーのシャトー・ジスクールというマルゴーに近いの地区に入る。
マコー自体、ジロンド川に近いがシャトー・ボレールの畑は特に川寄りで、河岸から数百メートルの水はけに優れた畑。また川からの風は、葡萄育成に大きな恩恵をもたらす。さらにメドックの中で最も南に位置するマコーの気温は温暖で、北部では難しいプティ・ヴェルドの栽培に向いている。これがシャトー・ボレールの最大の特徴で、このワインの最も重要な個性を造り上げているといってもいい。

エリートバンカーからワイン造りへ

オーナーのヴァンサン・ムリエ氏は異色の経歴を持つ。J.P.モルガン銀行でバンカーとして、ロンドン、ニューヨークで活躍。正真正銘のエリートだ。それが一転してシャトーのオーナーとなったのは、もともとのワイン好きが高じて。シャトー・ボレールをはじめ2つのオー・メドック、シャトー・ベル・ビュー、シャトー・ド・ジロンヴィルを相次ぎ購入し、豊富な資金力を投じて畑、セラーを大改装し、高い品質のワイン造りを目指した。
 ヴァンサン・ムリエ氏は元来の緻密で理論的、かつ大胆な発想の持ち主。もともと大好きだったワイン造りのために猛勉強を重ね、3つのシャトーの品質一気に向上させた。いずれもマコー地区のシャトーで、濃厚でありながら綺麗な果実味の繊細なワインを造る。
同氏の理想とするワインだ。ところが同氏は44才の若さでこの世を去る。3つのシャトーが専門誌で高く評されるようになり始めた2010年のこと。醸造長のヴァンサン・バッシュ氏は、 「ヴァンサンはいつも心に残るワインを造りたい。そのためには手を抜かない、必要以上に手を加えないと言っていたよ。」 
と言う。
またバッシュ氏によると、「ヴァンサンは畑に出るのが好きでね。暇さえあれば畑を見回っていたよ。プティ・ヴェルドの育成状態に特に気を使ってたな。」 
話す。3つのシャトーの中でこのシャトー・ボレールが最もプティ・ヴェルドの比率が高く、シャトー・ボレール=プティ・ヴェルドといっても良いほど。同じ地区でもシャトー・ボレールほどの高い比率でプティ・ヴェルドを使う生産者はいない。「ヴァンサンの大好きな品種で、ボルドー全体にとっても貴重な品種を絶やすわけにはいかない。」とヴァンサン・ムリエ氏の遺志はヴァンサン・バッシュ氏へ受け継がれている。

プティ・ヴェルド主体の強く、濃いワイン

「昔はもっと多く植えられていたんだ。それが効率化を優先させたために、だんだん減ってしまった。プティ・ヴェルドは粒が小さく皮が厚いため熟すのが遅い。収穫まで時間をより要するということは、効率が悪く、悪天による被害のリスクも増える。」 
ヴァンサン・バッシュ氏が語るように、プティ・ヴェルドは生産者にとって優しい品種ではない。そのた多く生産者は比較的栽培しやすいメルローやカベルネに移植し、効率化を図った。しかしヴァンサン・ムリエ氏はこの品種をこよなく愛し、彼の手掛けた3つのワインの何れにも、低くない比率でブレンドされている。とりわけこのシャトー・ボレールではどのヴィンテージでもプティ・ヴェルドが主品種として扱われている。メドックの最も南に位置するマコー地区の気温は北部に比べ平均気温が高い温暖な気候。また珪土砂利で水はけがよく保温性に優れ入ている。熟すのが難しいとされるプティ・ヴェルドに向いている。とはいえ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローと比べ、やはり難しい品種。「年によって差は出るが、ボレールのプティ・ヴェルドは古いものが多く、粒の数は少ないけれど、比較的安定した収穫が見込める。」とヴァンサン・バッシュ氏。
 約7haの畑の半分以上はプティ・ヴェルド。樹齢の平均は50年。最も古い樹は90年以上もあるのだという。プティ・ヴェルドを50~60%という高い比率で使い続けることが出来る大きな要因である。
完熟したプティ・ヴェルドが生むワインは色濃く、果実味のぎっしりと詰まった濃厚な味わいとなる。しっかりとした骨格の強さは感じるがタンニンの強さは至ってバランスの取れたもの。ヴァンサン・バッシュ氏いわく、「我慢強く完熟を待って、厳しく選果した結果。」だと言う。

「強く濃厚なのに飲み続けたくなる深い味。これがヴァンサン・ムリエが目指した味でこのワインに求められる個性だった。だからこれからも天国のヴァンサンに認められる味を造り続ける。」
というヴァンサン・バッシュ氏の言葉は、ワイン造りに全ての情熱を注いだヴァンサン・ムリエ氏への敬意の表れ。現在シャトーのオーナーは妻であるイザベル・ムリエ氏が受け継いでいる。

WINERY SEARCH

WINE CATALOG

REGION

PICKUP WINERY