Voyage de Lanessan ヴォヤージュ・ド・ラネッサン

フランス France / Bordeaux

シャトー・ラネッサンのもう一つのセカンドワイン

通常のセカンドワイン、レ・カレッシュ・ド・ラネッサンのセレクトキュヴェ、そしてラネッサンの区画からラネッサンにならなかったキュヴェを使った、もう一つのセカンドワインはエチケットだけでなく、味わいにも違いを持つ。

価格の変わらない希少なシャトー

シャトー・グリュオ・ラローズの畑の反対側のキュサック村にボーテイエ・ファミリーの所有する145haの広大な土地が広がる。その内、葡萄が栽培されているは約半分の75ha。

残り半分は森や公園、シャトーや隣接する資料館となっており、1890年にこのシャトーを所有し、今はパリに住むユベール・ブーテイエ氏がバカンスを過ごす別荘地でもある。中国資本を含む大企業が次々とシャトーを買収している今のボルドーでは同じ一族が所有し続けているのは珍しく、それだけにブーテイエ家の安定した富の証といえる。ユベール・ブーテイエ氏はシャトーで過ごす時間をとても楽しみにしており、シャトーでのパーティや、広大な森でのハンティング、馬車好きが高じて建設された資料館には古い馬車や馬具が展示されているなど、多趣味である。そしてワインもその一つで、これまで品質向上に多大な投資をしてきた。ところが価格はここ20年ほど大きな上昇はなく、周囲のシャトーの値上がりと比べたら、ないに等しいほど安定した安値で流通している。シャトー・ラネッサンは格付けされていない著名シャトーの一つで、格付けが見直されることがあれば真っ先に5級に昇格するだろうと言われるが、格付けにも拘らない、価格も二の次。まさに趣味の一つだから出来ることであり、消費する側としてはうれしい限りだ。

ラベルが違うだけじゃない

市場や流通の多様化に合わせて最近は中身のワインは同じで異なるラベル、名称をつけるシャトーが増えている。しかしこのヴォヤージュ・ド・ラネッサンは中身のワインも通常のセカンドワイン、レ・カレッシュ・ド・ラネッサンとは若干異なる。平均樹齢20年の若い区画であるのと、醸造方法までは同じものの、その中からキュヴェをセレクトし、カレッシュが濃い色調のややタニック仕上がりになっているのに対し、ヴォヤージュはよりフレッシュで果実味重視の味わい。結果的にだがカレッシュに少量ブレンドされているプティ・ヴェルドがヴォヤージュには入らない。また主体となるメルローの比率こそ同じ50%だが、区画、パーセルの違いで異なる出来のメルローを使うことになると言う。

ラネッサン初の女性醸造ディレクター

「新橋で食べた焼き鳥が最高!食べ始めたらとまらない美味しさだったわ。」と満面の笑みで日本での体験を語るのは2009年からシャトー・ラネッサンの醸造ディレクターに抜擢されたパズ・エスペホー氏。スペイン生まれの彼女はボルドーで生物学を学び、やがて農業、ワイン醸造へと学びの幅を広げた。1994年に卒業後はスペイン、イタリアの小さな生産者でワイン造りを経験した後、1997年にボルドーの巨大な生産者カルヴェ社で醸造、仕入れを担当し、6年間を過ごした後に、ブルゴーニュ、ローヌで充電期間を置く。そして2003年、コーディエ社において、技術、仕入れ部門のマネージャーを勤めるが同時にマーケティング部門においても貢献する。パズ・エスペホー氏は「ここでの7年間は本当にエキサイティングで、ワイン醸造だけに留まらず、葡萄栽培、マーケティング、営業活動、流通にいたる全ての面で私のスキルを磨くことが出来た。」と語るほど彼女の能力を一気に開花させた。中でもシャトー・レイヌ・ヴィニョー、シャトー・グラン・ピュイ、デュカス、シャトー・メイネイでの醸造は、その後の人生に大いに役立つ経験となった。

そして2009年、ユベール・ブーテイエ氏に抜擢されてシャトー・ラネッサン初の女性醸造ディレクターの誕生となった。ここでも彼女は醸造のみならず、マーケティングにおいても大きく貢献し、「新橋の焼き鳥」は彼女がマーケティングのために来日した際の体験。
飾らず、気負わず、しかし女性ならではの細かな気遣いや繊細なパレットを生かした葡萄栽培、ワイン造りはこれまでの無骨なまでに熟成に時間を要したシャトー・ラネッサンの個性を少しだけ柔らかくし、エレガントで繊細な方向性を加えた。ヴォヤージュ・ド・ラネッサンはそんな新しいラネッサンの方向性を象徴するワインとなっている。

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